「分かったから、とにかくそこに腰掛けてくれないか。クッキーが好物ならもっとやるよ。とにかく話を聞いて欲しい」
ユキのときとは違い、トイラは背筋をピンと伸ばして貫禄を出していた。
キイトは渋々とソファーに座り、ヤケクソまじりで残っていたクッキーをほおばった。
「仁、あの棚の中にもっとお菓子が入ってるから、それを全部もってきてくれ」
「わかった」
トイラに指図されるままに仁は動いた。
扉を開け、その中にあるだけのお菓子を持ち出して全てキイトの前に置いた。
「私を買収しようったってそうはいかないんだからね」
と言いつつも、手当たり次第に味見をしていた。
「キイトって言ったな。俺はトイラだ。だがこの体はユキのものだ。俺は訳あって意識を人間と共有している。元はお前と同じ種族だ」
「ということは、大きな黒い猫ってことか。あんた昨年ここで暴れていたよそ者なんだろ?」
「なんだ知ってるのか」
「まあね、噂程度だけど、何があったくらいかは分かってるつもりさ。でも一からあんたの口から聞いた方がよさそうだね。お菓子も一杯あることだし、食べてる間聞いてあげるよ」
それからトイラはユキとの出会いから、全てのことを話すのだった。
ユキのときとは違い、トイラは背筋をピンと伸ばして貫禄を出していた。
キイトは渋々とソファーに座り、ヤケクソまじりで残っていたクッキーをほおばった。
「仁、あの棚の中にもっとお菓子が入ってるから、それを全部もってきてくれ」
「わかった」
トイラに指図されるままに仁は動いた。
扉を開け、その中にあるだけのお菓子を持ち出して全てキイトの前に置いた。
「私を買収しようったってそうはいかないんだからね」
と言いつつも、手当たり次第に味見をしていた。
「キイトって言ったな。俺はトイラだ。だがこの体はユキのものだ。俺は訳あって意識を人間と共有している。元はお前と同じ種族だ」
「ということは、大きな黒い猫ってことか。あんた昨年ここで暴れていたよそ者なんだろ?」
「なんだ知ってるのか」
「まあね、噂程度だけど、何があったくらいかは分かってるつもりさ。でも一からあんたの口から聞いた方がよさそうだね。お菓子も一杯あることだし、食べてる間聞いてあげるよ」
それからトイラはユキとの出会いから、全てのことを話すのだった。



