恋の宝石ずっと輝かせて2

「やっぱりあんた達、赤石を狙ってるんだ」

 キイトは突然ソファーの上に立ち上がり腰を屈める。

 瞳孔が小さく点のようになり目つきが厳しくなると、今にも襲い掛かりそうに爪をむき出しにした指を見せ付けた。

「ち、違います」

 ユキは誤解を解こうとどうにかして話し合いたかったが、その前にキイトが飛び上がって襲い掛かった。

 咄嗟のことで仁は助けにいけず、ただ「危ない」と声を上げることしかできなかった。

 だが、ユキはキイトに負けないくらいのすばしこさで、機敏にジャンプして移動していた。

「とうとう正体を現したわね」

 恐ろしい剣幕のキイトに対し、ユキは口元を片方あげて余裕の笑みをこぼした。

「いいから、人の話を聞けっていうんだよ。血の気が多い女狐だな、それとも他の何かか?」

 女狐と言われて、キイトは驚いた。

「私はキイトって名前がちゃんとあるんだ。女狐って呼ぶな。お前は一体何者だ。女だと思ったら今度は男の気を出しやがって」

 キイトは少し取り乱し、慎重になっていた。