恋の宝石ずっと輝かせて2


 ユキが目覚めたとき、病室のベッドに横たわり、手に針が刺さってチューブと繋がっていることを不思議がっていた。

 側には仁がスツールに座って見守っている。

「ユキ?」

「あっ、仁…… なんで私、ここで寝ているの?」

「トイラからユキが倒れてるって教えてくれた。だから僕がここへ運んできたんだ」

「トイラと話をしたの!?」

 急に興奮してユキは身を起こした。

「だめだよ、安静にしてなくっちゃ。体がかなり弱ってるんだから。なんでそんなにいつも無茶するんだよ」

「だって」

 仁はユキをまたベッドに寝かし、口を尖らせて愚痴をこぼし始めた。

「だってもくそもないだろ。心配する僕の気持ちも考えてよ。ユキが暴走すれば、僕だって同じ道を辿るしかないんだから。それから、放っておいてなんて言葉、僕には言うなよ。無駄だから」

 先手を打たれてユキは大人しくなった。

「……ごめん。それで、トイラと何を話したの?」

「色々なことさ。これからどうすればいいのかってことも」

 誤魔化してもユキには通用しないと思ったので、仁はトイラから聞いたことを全て話した。

「そう、いずれ私はトイラと入れ替わっちゃうのか」

「今、それでもいいって思っただろ」

 仁が指摘するとユキは黙り込んだ。

「今すべき一番の事柄は、ユキが体調を整えて元気になるってこと。それとこんなこと二度とするな。トイラと話したければ、僕が手伝ってやる」

 仁がとてもしっかりして急に大人びた表情に見えた。