「ふたり仲良く楽しんでいるようじゃな」
「セキ爺!」
ユキと仁は再び会えた事を嬉しく思い、つい声を揃って荒げてしまった。
セキ爺は一般の年寄りと見分けがつかないくらい祭りに溶け込み、声を掛けられなかったらすっかり見過ごすところだった。
少し話がしたいと、セキ爺は賑やかな祭りからそれた人気のない木々が密集しているところにふたりを連れ出した。
「楽しんでいるところをすまないな。どうしてもふたりには改めて礼を言いたかったんじゃ」
「そんな、礼だなんて」
仁が却って恐縮した。
「いやいや、ニシナ様から話を全て聞かせてもらった。今回のことはふたりの協力がなければ解決できなかった。そしてわしが余計なことをしたために、トイラを失い悲しませてしまった。それも心から詫びたかったことじゃ」
ユキは強く首を横に振った。
「セキ爺、そのことは気にしないで下さい。私は全てのことに意味があったように思います。ねぇ、仁」
ユキは明るく振舞う。
「うん。僕もそう思う。だから悲しんでばかりいられないし、僕たちは精一杯前を進まなくっちゃ」
セキ爺は何度も頭を下げては感謝の気持ちをふたりに向けた。
「セキ爺!」
ユキと仁は再び会えた事を嬉しく思い、つい声を揃って荒げてしまった。
セキ爺は一般の年寄りと見分けがつかないくらい祭りに溶け込み、声を掛けられなかったらすっかり見過ごすところだった。
少し話がしたいと、セキ爺は賑やかな祭りからそれた人気のない木々が密集しているところにふたりを連れ出した。
「楽しんでいるところをすまないな。どうしてもふたりには改めて礼を言いたかったんじゃ」
「そんな、礼だなんて」
仁が却って恐縮した。
「いやいや、ニシナ様から話を全て聞かせてもらった。今回のことはふたりの協力がなければ解決できなかった。そしてわしが余計なことをしたために、トイラを失い悲しませてしまった。それも心から詫びたかったことじゃ」
ユキは強く首を横に振った。
「セキ爺、そのことは気にしないで下さい。私は全てのことに意味があったように思います。ねぇ、仁」
ユキは明るく振舞う。
「うん。僕もそう思う。だから悲しんでばかりいられないし、僕たちは精一杯前を進まなくっちゃ」
セキ爺は何度も頭を下げては感謝の気持ちをふたりに向けた。



