「トイラ、あなたの気持ちは私の気持ち。だからこれでよかったのよね」
トイラのあの生意気な笑顔が目に浮かぶ。
二度目の別れは悲壮な気持ちなどどこにもなかった。
好きな人が自由になれたという嬉しさの方が強く感じられた。
その思いが石にも伝わるのか、ユキの気持ちと同調するようにエメラルドグリーンの透き通った光が優しく光を放っていた。
カジビは再びキイトの姿に戻る。
ユキをそっとするように離れていった。
そしてニシナ様から全てを説明され、傷を癒された仁がユキの下へ駆けつけた。
「ユキ、どうして、どうして」
「仁、あなたこそ、どうしていつも一人で勝手に事を運ぶのよ。それが仁の悪い癖ね。これから何でも私に正直に言ってよね」
「でも、ユキ、トイラは、トイラは」
仁はそれでも納得できない。
「トイラは私の心にもいるし、そして仁の心にもいる。それでいいじゃない」
──いいことあるわけないじゃないか!
仁が叫ぼうとしたとき、ユキの目からは涙がポロポロとこぼれ出した。
それでも必死に歯を食いしばり泣かないようにと堪えている。
「ユキ……」
仁はいたたまれなくなった。
だけど必死に自分がユキの前に存在して生きている意味を考える。
「ユキ、悲しいときは泣いていいんだ。何も我慢することなんてない。その悲しみは僕が受け止める。ユキがトイラに命を助けられたように、今度は僕もトイラに命を助けられた。僕たちの体の中にはトイラが宿ってるんだ」
「仁……」
「ユキ、僕はトイラの代わりにはなれないし、なりたくもない。待つなんていうこともごめんだ。僕は僕としてこれからずっとユキの傍にいる。ユキの気持ちの中に絶対入り込んでやる」
自分が生きてる意味がこれだといわんばかりに仁はユキを抱きしめた。
ユキはその気持ちを素直に受け止め、同じように仁を抱きしめる。
その時、赤石がキイトの手の中でまた赤く輝いていた。
トイラのあの生意気な笑顔が目に浮かぶ。
二度目の別れは悲壮な気持ちなどどこにもなかった。
好きな人が自由になれたという嬉しさの方が強く感じられた。
その思いが石にも伝わるのか、ユキの気持ちと同調するようにエメラルドグリーンの透き通った光が優しく光を放っていた。
カジビは再びキイトの姿に戻る。
ユキをそっとするように離れていった。
そしてニシナ様から全てを説明され、傷を癒された仁がユキの下へ駆けつけた。
「ユキ、どうして、どうして」
「仁、あなたこそ、どうしていつも一人で勝手に事を運ぶのよ。それが仁の悪い癖ね。これから何でも私に正直に言ってよね」
「でも、ユキ、トイラは、トイラは」
仁はそれでも納得できない。
「トイラは私の心にもいるし、そして仁の心にもいる。それでいいじゃない」
──いいことあるわけないじゃないか!
仁が叫ぼうとしたとき、ユキの目からは涙がポロポロとこぼれ出した。
それでも必死に歯を食いしばり泣かないようにと堪えている。
「ユキ……」
仁はいたたまれなくなった。
だけど必死に自分がユキの前に存在して生きている意味を考える。
「ユキ、悲しいときは泣いていいんだ。何も我慢することなんてない。その悲しみは僕が受け止める。ユキがトイラに命を助けられたように、今度は僕もトイラに命を助けられた。僕たちの体の中にはトイラが宿ってるんだ」
「仁……」
「ユキ、僕はトイラの代わりにはなれないし、なりたくもない。待つなんていうこともごめんだ。僕は僕としてこれからずっとユキの傍にいる。ユキの気持ちの中に絶対入り込んでやる」
自分が生きてる意味がこれだといわんばかりに仁はユキを抱きしめた。
ユキはその気持ちを素直に受け止め、同じように仁を抱きしめる。
その時、赤石がキイトの手の中でまた赤く輝いていた。



