カジビもユキを一人にしようと去りかけたが、ユキが引きとめた。
「待って、キイト、いえ、カジビって呼んだ方がいいのね」
「いや、できたらこの姿の時はキイトって呼んでくれないか。その方がややこしくないだろう」
キイトの顔で、カジビは優しく微笑む。
「でも、今はカジビとして話させて」
ユキの見つめる目に答えるようにカジビは本来の姿をさらけ出した。
そこには精悍でキリリとした涼しげな目を向けた男性が立っている。
まるで侍のように威厳と信念をもった姿だった。
ハッとするくらいの眉目秀麗にユキは驚く。
「あなたが、カジビ……」
暫く話せない様子のユキにカジビは催促する。
「それで私に何を話したいんだ?」
「あっ、えっと、私、あなたにお礼がいいたくて。仁を助けてくれてありがとう」
「何を言ってる、助けたのはユキ自身だろ」
「ううん、あなたがあの時、あの命の結晶を解放しなければ、私は大きな間違いをするところだった。あなたは言ったわよね。『私はキイトを束縛できない。彼女が望めばそれに従うしかない。私もキイトを愛しているからね』って。私はその言葉の意味がわかったわ。私もトイラを愛している。そしてどうすればいいか本当にわかったの。だからお礼がいいたい。ありがとう」
ユキの言葉をカジビは静かに聞いていた。
お礼を言われる筋合いはないとユキの肩に優しく触れる。
でもそのカジビの表情は優しかった。
ユキは、目を潤わせ緑の石を胸に抱くように両手で優しく包み込んだ。
トイラの声が聞こえてくる。
『ユキ、俺はお前を愛している。それはよくわかっているだろう。そしてユキも俺の事同じように愛して欲しい。俺のことを強く思ってくれ。俺の俺の気持ちだけを考えてくれ』
「待って、キイト、いえ、カジビって呼んだ方がいいのね」
「いや、できたらこの姿の時はキイトって呼んでくれないか。その方がややこしくないだろう」
キイトの顔で、カジビは優しく微笑む。
「でも、今はカジビとして話させて」
ユキの見つめる目に答えるようにカジビは本来の姿をさらけ出した。
そこには精悍でキリリとした涼しげな目を向けた男性が立っている。
まるで侍のように威厳と信念をもった姿だった。
ハッとするくらいの眉目秀麗にユキは驚く。
「あなたが、カジビ……」
暫く話せない様子のユキにカジビは催促する。
「それで私に何を話したいんだ?」
「あっ、えっと、私、あなたにお礼がいいたくて。仁を助けてくれてありがとう」
「何を言ってる、助けたのはユキ自身だろ」
「ううん、あなたがあの時、あの命の結晶を解放しなければ、私は大きな間違いをするところだった。あなたは言ったわよね。『私はキイトを束縛できない。彼女が望めばそれに従うしかない。私もキイトを愛しているからね』って。私はその言葉の意味がわかったわ。私もトイラを愛している。そしてどうすればいいか本当にわかったの。だからお礼がいいたい。ありがとう」
ユキの言葉をカジビは静かに聞いていた。
お礼を言われる筋合いはないとユキの肩に優しく触れる。
でもそのカジビの表情は優しかった。
ユキは、目を潤わせ緑の石を胸に抱くように両手で優しく包み込んだ。
トイラの声が聞こえてくる。
『ユキ、俺はお前を愛している。それはよくわかっているだろう。そしてユキも俺の事同じように愛して欲しい。俺のことを強く思ってくれ。俺の俺の気持ちだけを考えてくれ』



