恋の宝石ずっと輝かせて2

「ユキ、聞こえるか? これからいう事をよく聞いてくれ。俺はお前を愛している。それはよくわかっているだろう。そしてユキも俺の事同じように愛して欲しい。俺のことを強く思ってくれ。俺の、俺の気持ちだけを考えてくれ」

「そうだよ、ユキ。トイラの言う通りだよ。何も迷うことはないさ。僕はそれでいいって言ってるんだから。それに僕の体がトイラになるんだったら、トイラも僕になるってことだろ。そうだ結局は僕がトイラになるんだ」

 仁は気がふれてしまっている。
 何を言っても聞く耳をもたない。

 ユキは黙っていた。

 トイラを愛する。
 トイラのことを考える。

 そしてユキは手にした赤石を仁の掌に握らせた。

 赤石は火のように激しく炎を放ち、仁の体も赤く包み込んでいく。

「ユキ、ありがとう」

 最後にトイラの声が聞こえた。

 そして光が収まったとき、横たわっていた仁の目が開き起き上がった。

 ユキはにこりと笑みを向けた。

「お帰り。戻ってきてくれてありがとう」

 ユキはあらん限りの力を込めて思いっきり仁の体を抱きしめた。

「ユキ、どうして、どうして僕を選んだんだ」

 仁は信じられないと目を見張っていた。