恋の宝石ずっと輝かせて2

「そうするにはある準備が必要だ。ユキ、今の俺の姿を見てなんとも思わないか? なぜ俺は人間になれたと思う? よく考えてみてくれ」

 ユキはトイラの言ってることがすぐに飲み込めなかった。

 暫く考えていたが、仁の準備が整ったと言った言葉、そして仁が助かるには仁次第だというカジビの言葉、それからトイラがニシナ様の体を借りて人間になった姿、それらはパズルのピースが組み合わさるようにはっとした。

 トイラが人間になるのを拒むその理由は一つしかない。

 誰かが犠牲にならないといけない──。

 ユキは横たわる仁の姿を見つめて、驚きのあまり声が出なくなった。

「やっと気がついたみたいだね」

「それじゃ仁が準備が整っているといったのは、自分の体を提供して犠牲になるつもりだったってこと?」

「そうだ。仁は最初からそうしなければ俺を助けられないことを知っていたんだ」

「そんな」

「ユキ、今度こそ本当のお別れだ」

「いや、いやよ。またあの苦しい身を切られるような辛さを味わわないといけないの? そんなのいや。山神様やカジビに頼めば、きっと他に方法があるはずよ。お願いもうどこにも行かないで」

 ユキはトイラを無我夢中で抱きしめた。後から後から涙がこぼれてくる。

 トイラも自分の気持ちが込められるだけの力を出し切ってユキを抱きしめ返す。

 そしてカジビに視線を向けて、準備ができていると知らせた。