冷房の効いた自分の部屋、一眠りでもするつもりでベッドに寝転がりながら仁はハート型の石を見つめていた。
中央の赤みは消えることなく、時々波打ちながら光を出していた。
まるで心臓を連想させる。
掌の中で握れば、やはり熱を発したような温かみを感じた。
「一体これはなんなんだ」
角度を変えて何度も眺めていた。
その時、窓をコツコツと叩く音が聞こえ、見れば、いつかのキジバトが羽を忙しく羽ばたかせながら、部屋の中を覗いていた。
仁が窓を開けると、キジバトは怖がることもなく部屋に入り込んで仁の頭にとまった。
クルックーと喉を震わせて首をせわしく動かしているのか、頭の上で暴れられるのが不快で仁は顔を歪めた。
何を意味しているのだろうと、とりあえずは聞いてみた。
「お前は楓太の友達だったよな。どうしたんだい?」
キジバトは必死で何かを伝えようと一層激しく動くが、上手く伝えられずに最後は苛立って仁の頭を突付き出した。
「おい、痛いよ。落ち着けよ」
頭を庇おうと咄嗟に手が出ると、持っていた石が掌からこぼれてしまった。
キジバトは床に転がったその石を素早く足で掴み、すぐさま空へと飛び立った。
「ちょっと、なんだよ。それを返してくれ」
キジバトは円を描きながら仁を見つめて飛んでいる。
「もしかして、ついて来いって行ってるのか?」
キジバトはクルックーと一度鳴くと、また仁の元へ戻ってその石を返した。
「分かった。すぐ支度する」
仁は石をパンツのポケットに入れ、すぐさま部屋を飛び出した。
マンションの外に出れば、キジバトが電線の上で待機している。
仁が自転車を取り出して、乗り出すと案内するように空に飛び立った。
仁は胸騒ぎを感じてペダルに掛かった足に力が入った。
中央の赤みは消えることなく、時々波打ちながら光を出していた。
まるで心臓を連想させる。
掌の中で握れば、やはり熱を発したような温かみを感じた。
「一体これはなんなんだ」
角度を変えて何度も眺めていた。
その時、窓をコツコツと叩く音が聞こえ、見れば、いつかのキジバトが羽を忙しく羽ばたかせながら、部屋の中を覗いていた。
仁が窓を開けると、キジバトは怖がることもなく部屋に入り込んで仁の頭にとまった。
クルックーと喉を震わせて首をせわしく動かしているのか、頭の上で暴れられるのが不快で仁は顔を歪めた。
何を意味しているのだろうと、とりあえずは聞いてみた。
「お前は楓太の友達だったよな。どうしたんだい?」
キジバトは必死で何かを伝えようと一層激しく動くが、上手く伝えられずに最後は苛立って仁の頭を突付き出した。
「おい、痛いよ。落ち着けよ」
頭を庇おうと咄嗟に手が出ると、持っていた石が掌からこぼれてしまった。
キジバトは床に転がったその石を素早く足で掴み、すぐさま空へと飛び立った。
「ちょっと、なんだよ。それを返してくれ」
キジバトは円を描きながら仁を見つめて飛んでいる。
「もしかして、ついて来いって行ってるのか?」
キジバトはクルックーと一度鳴くと、また仁の元へ戻ってその石を返した。
「分かった。すぐ支度する」
仁は石をパンツのポケットに入れ、すぐさま部屋を飛び出した。
マンションの外に出れば、キジバトが電線の上で待機している。
仁が自転車を取り出して、乗り出すと案内するように空に飛び立った。
仁は胸騒ぎを感じてペダルに掛かった足に力が入った。



