「ううん、そんなことないわ。これでも可愛がってもらってるわよ。長男が産めなくてもそういうことで一度も彼らに責められたことはないの。山神様のことで必死になっている人たちだから、それに関係することだけ煩く言われちゃう。私の方がよく知ってるっていうのにね」
「でも跡継ぎの男児を授かりたいと思ったのはしつこく言われたからじゃないのか?」
父親としてセキ爺は娘が心配でたまらない。
「ううん、それは全く違うの。私はかつて力を与えられた山神様をお守りする存在だったのに、結婚してから役割を果たせないことでプライドが許せなかったの。私こそが人間界で山神様をお世話する跡継ぎを生むのに相応しい存在なのにって思って、自分で追い込んじゃった。なんのためにお父さんの反対を押し切って結婚したのかって思うと、ついムキになってしまって。お父さん、いつも心配掛けて本当にごめんなさい」
花梨はここで極まって泣いてしまった。
「花梨、わしが悪かったんじゃ。苦しい思いをさせてすまなかった」
親子の絆を目の前でみてユキも貰い泣きしている。
仁も感動を覚えながら二人を見ていると、なにやら下腹部の横が熱をもったように感じた。
手を当てるとちょうどパンツのポケットのあたりだった。
そういえば石を入れていたと、仁は手を突っ込んで中に入っていた石を取り出した。
乳白色の色だった石が、奥の部分から赤い色を発していた。
「でも跡継ぎの男児を授かりたいと思ったのはしつこく言われたからじゃないのか?」
父親としてセキ爺は娘が心配でたまらない。
「ううん、それは全く違うの。私はかつて力を与えられた山神様をお守りする存在だったのに、結婚してから役割を果たせないことでプライドが許せなかったの。私こそが人間界で山神様をお世話する跡継ぎを生むのに相応しい存在なのにって思って、自分で追い込んじゃった。なんのためにお父さんの反対を押し切って結婚したのかって思うと、ついムキになってしまって。お父さん、いつも心配掛けて本当にごめんなさい」
花梨はここで極まって泣いてしまった。
「花梨、わしが悪かったんじゃ。苦しい思いをさせてすまなかった」
親子の絆を目の前でみてユキも貰い泣きしている。
仁も感動を覚えながら二人を見ていると、なにやら下腹部の横が熱をもったように感じた。
手を当てるとちょうどパンツのポケットのあたりだった。
そういえば石を入れていたと、仁は手を突っ込んで中に入っていた石を取り出した。
乳白色の色だった石が、奥の部分から赤い色を発していた。



