9
キイトを連れて再び家に戻れば、知らぬ間にキッチンが散らかっていてユキは驚いた。
「ごめん、ユキ。トイラが勝手に食べていいっていうもんだから、つい」
仁が傍でシュンとしていた。
「ちゃんとご飯作れた? 私も食べたんでしょ」
中身はトイラであっても体は自分だから、ユキは責めるよりもしっかり食べたことの方が気になる。
仁が頷くとユキはにっこりと微笑んだ。
「それならよかった」
ユキが片付けようとしたとき、仁はそれを遮った。
「ユキ、とにかく片付けは後にして。今は時間がないんだ。昨晩のこと全部話すからとにかくキイトと一緒に座って」
一分一秒でも無駄にしている時間はない。
仁はユキとキイトの前で八十鳩家の祠のことを話した。
「それは本当か。ほんとにそんなところに赤石があったのか」
すぐさまキイトが反応し、興奮して立ち上がる。
「楓太もそれは本物と認めていた。なぜそこにあったのか理由は言わなかったけど」
仁は楓太の事情のことも説明する。
キイトはソファの上で胡坐を掻いて座りなおすと、腕を組んで静かに考えた。
「なるほど、私にはなぜそこに赤石が隠されていた理由がわかった。そこまでよく調べてくれたな。これで誰が犯人か分かりかけてきた。大方の問題は解決しそうだ」
「えっ、理由も犯人もわかったって、一体どういうこと? 僕たちにも教えてくれないか」
仁がその先を知りたいと催促する。
「いや、ここからは私の問題だ」
「ちょっと待ってよ。カジビの件はどうするの? 犯人ってやっぱりカジビなの? 私たち、カジビを探さないと困るんだけど」
ユキはカジビを探す事を優先して欲しい。
キイトにすがる目をむける。
「ユキの問題も分かっておる。もう暫く待て。私の問題が解決したら必ずトイラの手助けをすると誓おう」
キイトを連れて再び家に戻れば、知らぬ間にキッチンが散らかっていてユキは驚いた。
「ごめん、ユキ。トイラが勝手に食べていいっていうもんだから、つい」
仁が傍でシュンとしていた。
「ちゃんとご飯作れた? 私も食べたんでしょ」
中身はトイラであっても体は自分だから、ユキは責めるよりもしっかり食べたことの方が気になる。
仁が頷くとユキはにっこりと微笑んだ。
「それならよかった」
ユキが片付けようとしたとき、仁はそれを遮った。
「ユキ、とにかく片付けは後にして。今は時間がないんだ。昨晩のこと全部話すからとにかくキイトと一緒に座って」
一分一秒でも無駄にしている時間はない。
仁はユキとキイトの前で八十鳩家の祠のことを話した。
「それは本当か。ほんとにそんなところに赤石があったのか」
すぐさまキイトが反応し、興奮して立ち上がる。
「楓太もそれは本物と認めていた。なぜそこにあったのか理由は言わなかったけど」
仁は楓太の事情のことも説明する。
キイトはソファの上で胡坐を掻いて座りなおすと、腕を組んで静かに考えた。
「なるほど、私にはなぜそこに赤石が隠されていた理由がわかった。そこまでよく調べてくれたな。これで誰が犯人か分かりかけてきた。大方の問題は解決しそうだ」
「えっ、理由も犯人もわかったって、一体どういうこと? 僕たちにも教えてくれないか」
仁がその先を知りたいと催促する。
「いや、ここからは私の問題だ」
「ちょっと待ってよ。カジビの件はどうするの? 犯人ってやっぱりカジビなの? 私たち、カジビを探さないと困るんだけど」
ユキはカジビを探す事を優先して欲しい。
キイトにすがる目をむける。
「ユキの問題も分かっておる。もう暫く待て。私の問題が解決したら必ずトイラの手助けをすると誓おう」



