「大丈夫か?」
仁の問いかけに首を横に振る。
体の中のものが飛び出しそうなくらい恐ろしい咳を何度も出していた。
やがて咳が収まって落ち着き出した。
「ん? ここはどこ? 一体どうなってるの? なんで昼間?」
「ユキ! ユキなのか」
「ええ、そうだけど、これはどういうこと?」
仁は前夜からユキの意識が戻らなかったことを説明した。
ユキはちんぷんかんぷんですぐには状況を飲み込めなかった。
「なんとか、上手くいったみたいだな。これは咳をすることで、体の中にある気を弾みで外に出すんだ」
キイトはほっと一息ついていた。
「ありがとう、キイト。少しは肩の荷が下りたよ」
仁は尻餅をついていたユキを起こして、砂をはたいてやった。
「だけど、これは応急処置だからな。それでもまあ、当分はトイラもでてこれないとは思うけど、それがどれくらい続くかが正確にわからない」
「トイラが出てこれないってどういうこと?」
ユキが聞いた。
「ユキの意識を引っ張り出してそこで暫く固定したってことだ。トイラが意識を表に出したいと思っても、この術が掛かっているときはできないんだ。だが、一定の時間が過ぎれば、また元に戻ってしまう」
「大体目安としてどれくらいもつの?」
「そうだな、半日から一日、まあ長くもったら二日ってところかな。術が切れてもトイラが踏ん張って意識を表に出さないようにすればそれだけ長く持つってことだ」
「聞いたか、トイラ。できるだけ自分の意識を外に出さないようにコントロールしてくれ」
仁はユキの中に埋もれているトイラに忠告した。
「さて、今度はそちらの番だ。色々と聞かせてもらおうじゃないか」
キイトの催促に仁はぐっと体に力を込めた。
仁の問いかけに首を横に振る。
体の中のものが飛び出しそうなくらい恐ろしい咳を何度も出していた。
やがて咳が収まって落ち着き出した。
「ん? ここはどこ? 一体どうなってるの? なんで昼間?」
「ユキ! ユキなのか」
「ええ、そうだけど、これはどういうこと?」
仁は前夜からユキの意識が戻らなかったことを説明した。
ユキはちんぷんかんぷんですぐには状況を飲み込めなかった。
「なんとか、上手くいったみたいだな。これは咳をすることで、体の中にある気を弾みで外に出すんだ」
キイトはほっと一息ついていた。
「ありがとう、キイト。少しは肩の荷が下りたよ」
仁は尻餅をついていたユキを起こして、砂をはたいてやった。
「だけど、これは応急処置だからな。それでもまあ、当分はトイラもでてこれないとは思うけど、それがどれくらい続くかが正確にわからない」
「トイラが出てこれないってどういうこと?」
ユキが聞いた。
「ユキの意識を引っ張り出してそこで暫く固定したってことだ。トイラが意識を表に出したいと思っても、この術が掛かっているときはできないんだ。だが、一定の時間が過ぎれば、また元に戻ってしまう」
「大体目安としてどれくらいもつの?」
「そうだな、半日から一日、まあ長くもったら二日ってところかな。術が切れてもトイラが踏ん張って意識を表に出さないようにすればそれだけ長く持つってことだ」
「聞いたか、トイラ。できるだけ自分の意識を外に出さないようにコントロールしてくれ」
仁はユキの中に埋もれているトイラに忠告した。
「さて、今度はそちらの番だ。色々と聞かせてもらおうじゃないか」
キイトの催促に仁はぐっと体に力を込めた。



