「じゃあ、なんで最初から僕たちにそこにあるって言ってくれなかったんだ?」
少し呆れ気味に仁が訊いた。
「拙者は今、難しい立場にいる。どちらも裏切れない」
「どういう意味だよ。誰と誰のことを言ってるんだ?」
イライラしながらトイラが訊いた。
「拙者は両者どちらも助けないといけない。しかしそうすると矛盾が発生する。だから、お前さんたちに託すしかない」
「そういう抽象的なことを言われても、肝心な事がわからないと僕たちもさっぱりわからないんだけど」
仁はやんわりと責めた。
「仁の言う通りだ。俺たちに助けを求めているんならはっきりと事情を話せ」
トイラは直球にイライラをぶつけた。
「それはお前さん達が見つけてくれ。拙者の口からいえないけど、お前さんたちが勝手に見つけたら拙者は関与してないことになる」
「ちぇっ、それは卑怯じゃないか。責任逃れして、自分だけ被害を被りたくないってことか。きれいごと言うなよ」
トイラの言葉に楓太はかっとした。
「違う! 拙者は掟に従ってどちらも守りたいだけだ。それが拙者の使命。自分の意思では判断してはいけないってことだ。すまぬが察してくれ」
武士のような楓太の態度にトイラも仁も面食らった。
「わかったよ、楓太。楓太の世界では僕たちに理解できない掟があるってことなんだな。それなら僕たちでなんとかしてみる。でも、楓太も掟にふれない範囲でいいから手伝って欲しい」
「仁、かたじけない。できるだけのことはする」
楓太に事情があってもトイラにはもどかしいままだった。仁は楓太を理解し尊重しようとする。
「それで、その赤石だけど、なぜあの祠の中にあるんだ」
「その理由は言えない。だけどその赤石は本来ニシナ様が持っているものだ。赤石をお前さんたちの手でニシナ様に返してもらえないか」
楓太の潤った黒目が仁とトイラに慈悲を求めている。
ふたりは分かったと楓太の願いを聞き入れることにした。
少し呆れ気味に仁が訊いた。
「拙者は今、難しい立場にいる。どちらも裏切れない」
「どういう意味だよ。誰と誰のことを言ってるんだ?」
イライラしながらトイラが訊いた。
「拙者は両者どちらも助けないといけない。しかしそうすると矛盾が発生する。だから、お前さんたちに託すしかない」
「そういう抽象的なことを言われても、肝心な事がわからないと僕たちもさっぱりわからないんだけど」
仁はやんわりと責めた。
「仁の言う通りだ。俺たちに助けを求めているんならはっきりと事情を話せ」
トイラは直球にイライラをぶつけた。
「それはお前さん達が見つけてくれ。拙者の口からいえないけど、お前さんたちが勝手に見つけたら拙者は関与してないことになる」
「ちぇっ、それは卑怯じゃないか。責任逃れして、自分だけ被害を被りたくないってことか。きれいごと言うなよ」
トイラの言葉に楓太はかっとした。
「違う! 拙者は掟に従ってどちらも守りたいだけだ。それが拙者の使命。自分の意思では判断してはいけないってことだ。すまぬが察してくれ」
武士のような楓太の態度にトイラも仁も面食らった。
「わかったよ、楓太。楓太の世界では僕たちに理解できない掟があるってことなんだな。それなら僕たちでなんとかしてみる。でも、楓太も掟にふれない範囲でいいから手伝って欲しい」
「仁、かたじけない。できるだけのことはする」
楓太に事情があってもトイラにはもどかしいままだった。仁は楓太を理解し尊重しようとする。
「それで、その赤石だけど、なぜあの祠の中にあるんだ」
「その理由は言えない。だけどその赤石は本来ニシナ様が持っているものだ。赤石をお前さんたちの手でニシナ様に返してもらえないか」
楓太の潤った黒目が仁とトイラに慈悲を求めている。
ふたりは分かったと楓太の願いを聞き入れることにした。



