恋の宝石ずっと輝かせて2

「じゃあ、なんで最初から僕たちにそこにあるって言ってくれなかったんだ?」

 少し呆れ気味に仁が訊いた。

「拙者は今、難しい立場にいる。どちらも裏切れない」

「どういう意味だよ。誰と誰のことを言ってるんだ?」

 イライラしながらトイラが訊いた。

「拙者は両者どちらも助けないといけない。しかしそうすると矛盾が発生する。だから、お前さんたちに託すしかない」

「そういう抽象的なことを言われても、肝心な事がわからないと僕たちもさっぱりわからないんだけど」

 仁はやんわりと責めた。

「仁の言う通りだ。俺たちに助けを求めているんならはっきりと事情を話せ」

 トイラは直球にイライラをぶつけた。

「それはお前さん達が見つけてくれ。拙者の口からいえないけど、お前さんたちが勝手に見つけたら拙者は関与してないことになる」

「ちぇっ、それは卑怯じゃないか。責任逃れして、自分だけ被害を被りたくないってことか。きれいごと言うなよ」

 トイラの言葉に楓太はかっとした。

「違う! 拙者は掟に従ってどちらも守りたいだけだ。それが拙者の使命。自分の意思では判断してはいけないってことだ。すまぬが察してくれ」

 武士のような楓太の態度にトイラも仁も面食らった。

「わかったよ、楓太。楓太の世界では僕たちに理解できない掟があるってことなんだな。それなら僕たちでなんとかしてみる。でも、楓太も掟にふれない範囲でいいから手伝って欲しい」

「仁、かたじけない。できるだけのことはする」

 楓太に事情があってもトイラにはもどかしいままだった。仁は楓太を理解し尊重しようとする。

「それで、その赤石だけど、なぜあの祠の中にあるんだ」

「その理由は言えない。だけどその赤石は本来ニシナ様が持っているものだ。赤石をお前さんたちの手でニシナ様に返してもらえないか」

 楓太の潤った黒目が仁とトイラに慈悲を求めている。

 ふたりは分かったと楓太の願いを聞き入れることにした。