恋の宝石ずっと輝かせて2

「くそっ」

 ユキの姿でトイラはイライラとしていた。

「トイラ、落ち着いて」

「これが落ち着いてられるか」

「でも体はユキなんだ。ユキのためにもユキらしさを損なわないでくれ」

 トイラは歩き回るのをやめ、その場で立ちすくんだ。

 仁も何か対策はないかと考え込む。

 外が明るくなるに連れ、陽光が家の中にも差し込んでくる。

「僕たちだけではダメだ。キイトに助けを求めよう。何かいい手立てがあるかもしれない」

 仁が提案した。

「どうやって連絡取るんだよ」

 動揺して焦ってるトイラの目の前で、仁はぱっと閃いて立ち上がった。

「楓太だ! 楓太なら何か知ってるはずだ」

「でもあの犬はどこかいけ好かない奴だった。そんな簡単に話すだろうか」

「なんとしてでも口を割らせるしかない。今からいこう。これくらい早朝なら八十鳩家もまだ寝ているだろう。今のうちに早く行こう」

 朝は少しひんやりとした空気を漂わせ、鳥たちのさえずりがやかましいおしゃべりのように聞こえてくる。

 仁とトイラが慌しく自転車に乗り駆け出していくと、それにびっくりして鳥たちがバサバサと一斉に空に飛び立っていった。

 朝焼けの中、二人は必死に自転車を漕いでいた。