6
カネタとやり過ごし、トイラは先を急ぐ。
自転車と人が融合した影が前方の暗闇からぼんやりと現れると、トイラは叫んでいた。
「仁!」
「ユキ、心配したぞ。今までどこにいたんだよ」
「すまねぇ。ちょっと色々とあった。そっちは上手く行ったのか?」
「えっ? 今、トイラなのか?」
仁はこんがらがる。
「とにかく家に戻ろう。話はそれからだ」
トイラが自転車を漕ぎ、先を行く。
「ちょっと、待って、ユキ、いや、トイラ!」
仁は慌てて後を追いかけた。
ふたりがユキの家に戻ったとき時計はすでに10時をまわっていた。
「なんだか遅くなっちまったけど、仁、家に帰らなくて大丈夫か? これから話をしたらもっと遅くなる。今日は泊まっていったらどうだ?」
ユキの口から出た言葉だったので、いくら中身がトイラでも仁はドキッとしてしまった。
「えっ、泊まっていいの?」
「お前さ、なんか勘違いしてないか。これは俺が言ってる言葉であって、ユキじゃないんだぞ」
「そ、そんなの分かってるよ! ちょっと電話借りるよ」
仁は家に電話して友達のところで泊まっていくと母親に伝えた。仁の母親は受話器の向こうで何か言いたげだったが、仁は強行突破でユキのことには触れずに電話を切った。
「その分じゃ、仁の母親はユキと何かあるんじゃないかって疑ってるみたいだね」
ユキの顔でニヤニヤとからかわれると、仁はイライラしてきた。
「いい加減にしろ。中身がトイラなんだから間違い起こすわけないだろ」
「当ったり前だ。だが中身がユキ本人であっても間違い起こすなよ」
仁は言われなくても分かってると言いたげに、抗議する不満な目つきを向けた。
「まずは仁から話して貰おうか。八十鳩家で何か情報掴んだのか?」
トイラは居間の安楽椅子に腰をかけた。
カネタとやり過ごし、トイラは先を急ぐ。
自転車と人が融合した影が前方の暗闇からぼんやりと現れると、トイラは叫んでいた。
「仁!」
「ユキ、心配したぞ。今までどこにいたんだよ」
「すまねぇ。ちょっと色々とあった。そっちは上手く行ったのか?」
「えっ? 今、トイラなのか?」
仁はこんがらがる。
「とにかく家に戻ろう。話はそれからだ」
トイラが自転車を漕ぎ、先を行く。
「ちょっと、待って、ユキ、いや、トイラ!」
仁は慌てて後を追いかけた。
ふたりがユキの家に戻ったとき時計はすでに10時をまわっていた。
「なんだか遅くなっちまったけど、仁、家に帰らなくて大丈夫か? これから話をしたらもっと遅くなる。今日は泊まっていったらどうだ?」
ユキの口から出た言葉だったので、いくら中身がトイラでも仁はドキッとしてしまった。
「えっ、泊まっていいの?」
「お前さ、なんか勘違いしてないか。これは俺が言ってる言葉であって、ユキじゃないんだぞ」
「そ、そんなの分かってるよ! ちょっと電話借りるよ」
仁は家に電話して友達のところで泊まっていくと母親に伝えた。仁の母親は受話器の向こうで何か言いたげだったが、仁は強行突破でユキのことには触れずに電話を切った。
「その分じゃ、仁の母親はユキと何かあるんじゃないかって疑ってるみたいだね」
ユキの顔でニヤニヤとからかわれると、仁はイライラしてきた。
「いい加減にしろ。中身がトイラなんだから間違い起こすわけないだろ」
「当ったり前だ。だが中身がユキ本人であっても間違い起こすなよ」
仁は言われなくても分かってると言いたげに、抗議する不満な目つきを向けた。
「まずは仁から話して貰おうか。八十鳩家で何か情報掴んだのか?」
トイラは居間の安楽椅子に腰をかけた。



