恋の宝石ずっと輝かせて2

 仁が探しているとも知らず、トイラの意識に支配されたユキは、暗い中、セキ爺が向かった方向にひたすら自転車でこいでいた。

 セキ爺の姿はとっくに闇に紛れてしまっていた。ユキの姿のままで山に入れば探すのが困難だと気がつくと、急ブレーキをかけた。

「夜にむやみに山に入るのは危険だ。今俺はユキの体だった。いざとなったとき戦うこともできない。くそっ」

 また夜が明けたらくればいいとばかりにトイラは諦めて方向転換をした。

 元来た道を戻ると、人影が歩いているのが見える。

 体つきから男と分かったので、ユキを守るためにもトイラは無視を決め込んでペダルを力強くこいだ。

 だがすれ違いざまに声を掛けられブレーキをかけてしまった。

「おい、君、もしかしてジンの友達じゃないのか」

 カネタだった。

 トイラは暗闇で目を凝らしじっと見つめ、直感で気に食わないものを感じ取った。

 カネタもそれを感じ取り、トイラに扮するユキにいい感情を抱かなかった。投げやりにまた話しかける。

「ジンが向こうで君を探してたぞ」

「あんた誰だよ」

 トイラはついぶっきら棒になってしまう。

「なんだかボーイッシュな女の子なんだね。まあいいけど。俺はカネタだ。ジンが君を探していたようだったから教えようと思って声を掛けただけさ。引き止めてすまなかったな」

 嫌味っぽくいうカネタ。

 暗くて顔の詳細はよく分からなかったが、仁が亀を捨てに行ったときに脅かされた奴だということにトイラは気がついた。