恋の宝石ずっと輝かせて2

「そうだね。俺は地元の人間じゃないからそういうことはわからないな」

「それじゃ、八十鳩家は山神様に仕える家らしいんですけど、雇われてるって言われてましたが、何か特別なこととか聞かれませんでしたか?」

「いや、特別そういうことはなかったけど」

 あっさりと返答するカネタ。

「そうですか」

 仁は何も情報が得られないことにがっかりした。

「そっちはどれくらいの情報を集めたんだい? 俺の方が興味出てきたよ」

「僕もまだまだほんの少しなんですけど、山神様はニシナ様と呼ばれて、周りにはそれに仕える小神様たちがいて、そして赤石というのを祀っていることくらいです。一種の民話みたいな話ですけどね」

 仁は自由研究の話を本物っぽくするために答えたが、実際これくらい話しても問題はないだろうと高をくくっていた。

 カネタはそれをじっと聞いていた。

 急にカネタが無言になってしまい、暗闇の沈黙が仁の不安を募らせる。

「カネタさん、どうかなさったんですか?」

「いや、神様の話題なだけに、あまり詳しいこと知ろうと首を突っ込むのもやばいんじゃないだろうかって急に思ってしまって。まあせいぜい祟られずに調べるんだな」

「はい。気をつけます」

「それじゃ、またな」

 カネタは踵を返して去っていった。仁がその方向を見れば、周りには何もなくただ畑が茫洋な闇に飲まれて広がる。

 あのままカネタが歩いても山の麓へと近づくだけで民家があるような気がしなかった。

 不思議に思ったが仁はいつまでもそこに立ってるわけにもいかず、自転車に乗り、ユキを探すことにした。