恋の宝石ずっと輝かせて2

「将来は獣医になりたいと思ってますので、獣医学部のある大学を考えてるのですが、狭き門なのでどこかに引っかかればとまだこれといった希望はないんです」

「先輩なら大丈夫です」

 瞳が力んでガッツを送る。

「もしだめだったら、農業もいいですよ。ねぇ、お爺さん」

「そうそう」

 祖父母はどうしても婿入りに話を繋げたいようだった。

「しっかりと目標を持ってるところが素晴らしい。是非とも頑張って下さい」

 徳一郎はうんうんと首を数回振って感心していた。

「ありがとうございます」

 これでは山神の話には持っていけない。正座もしていたので痺れもあり体がムズムズしだした。

「これで皆わかったでしょ。新田さんは勉強で忙しい身なんだから、あまり長くお引止めしては失礼ですよ」

 お昼の状態が続いていたら花梨の言葉は助け舟として有難かったが、目的を持って侵入してきたこの時は余計な言葉でしかなかった。

 これでは自分が帰らないといけない雰囲気に流れていく。タイムアップと言われているようだった。

 ここは怪しまれてもいけないと仁は潔く諦める。

「本当に夜分遅くに突然お邪魔してすみませんでした。お礼を伝えたかっただけなので、僕はこれで失礼します」

「先輩もう帰っちゃうの」

 瞳だけじゃなく、祖父母も同じように残念がる。

 徳一郎ももう少し話をしてみたいような物足りなさだったが、花梨は誰とも目を合わさずにこりともしてなかった。

 仁はその花梨の表情をみてどこか違和感を覚える。

 花梨が仁を早くここから排除したがっているように思えてきた。

 仁は立ち上がったが、足の感覚が痺れておかしく、生まれたての小鹿のようによろよろとして、勢いあまって隣にいた瞳に倒れ掛かってしまった。

 仁は瞳を押し倒したような形で瞳とまじかで顔を合わせていた。