「川辺か山で拾ったとか言ってた。それよりも、さっき映像が見えたって言ったよね。どんな感じの映像だった?」
「それが、ふたり出てきたんだけど、ひとりはキイトだったと思う。もうひとりは知らない男の人だった」
「もしかして、その男はカジビじゃないのか? 二人は何をしてたんだ」
「この石を激しく奪い合っていた……」
ユキは自分の見たものが信じられないという目を仁に向けた。
「何かの勘違いなんじゃないのか。ふざけあっていて、遊びの一種とかさ」
「ううん、あれは戦いだったと思う。キイトが血を流して倒れこんでいた」
その言葉で仁も息を飲み込んだ。
「だったらさ、キイトに直接訊けばいいじゃないか」
「えっ、でも、なんだかできない」
「なぜ?」
「だってその石を最初に盗んでいたのはキイトだったから」
ユキはできるだけ詳しく自分が見た映像について仁に伝えようとした。
「最初に石は暗闇の中で治まっていて、小さな扉が開いて辺りが急に明るくなると、キイトの顔が覗きこんだ。
そこは何かを祀ってあるような場所にも見え、キイトは慎重に一度辺りを窺って、周りに誰も居ないことを確認してから手を伸ばしてきた。
石はキイトの手に握られる。
突然後ろから男が現れてキイトの肩に手を掛けて捕まえた。
キイトは逃げようとして男ともみ合うが、その時、突然鋭い刃のようなものがキイトの胸を引っ掻くとキイトは倒れこんだ。
その弾みで石も手から離れ、地面にバウンドして転がっていった。
男は石を拾い、倒れて血を流しているキイトの様子も気にせず元来た道を戻っていったという映像だった」
ユキはなんだか信じられない表情で、恐れるように語っていた。
「それが、ふたり出てきたんだけど、ひとりはキイトだったと思う。もうひとりは知らない男の人だった」
「もしかして、その男はカジビじゃないのか? 二人は何をしてたんだ」
「この石を激しく奪い合っていた……」
ユキは自分の見たものが信じられないという目を仁に向けた。
「何かの勘違いなんじゃないのか。ふざけあっていて、遊びの一種とかさ」
「ううん、あれは戦いだったと思う。キイトが血を流して倒れこんでいた」
その言葉で仁も息を飲み込んだ。
「だったらさ、キイトに直接訊けばいいじゃないか」
「えっ、でも、なんだかできない」
「なぜ?」
「だってその石を最初に盗んでいたのはキイトだったから」
ユキはできるだけ詳しく自分が見た映像について仁に伝えようとした。
「最初に石は暗闇の中で治まっていて、小さな扉が開いて辺りが急に明るくなると、キイトの顔が覗きこんだ。
そこは何かを祀ってあるような場所にも見え、キイトは慎重に一度辺りを窺って、周りに誰も居ないことを確認してから手を伸ばしてきた。
石はキイトの手に握られる。
突然後ろから男が現れてキイトの肩に手を掛けて捕まえた。
キイトは逃げようとして男ともみ合うが、その時、突然鋭い刃のようなものがキイトの胸を引っ掻くとキイトは倒れこんだ。
その弾みで石も手から離れ、地面にバウンドして転がっていった。
男は石を拾い、倒れて血を流しているキイトの様子も気にせず元来た道を戻っていったという映像だった」
ユキはなんだか信じられない表情で、恐れるように語っていた。



