4
「今のは一体……」
訳が分からず、放心状態のユキは暫くその場で佇んでいた。
静かな場所で場違いな音が流れてくる。
だが聞きなれたメロディ。
ユキが自分の携帯の着信音だと気がついたとき、我に返って携帯を手にした。
それは仁からだった。
通話ボタンを押せば、ユキの返事も待たずに「ユキ!」と慌てて叫んだ声が聞こえてきた。
「どうしたの、仁」
鼻声を帯びて洟がずるっと音を立てる。
「ユキ、なんか声が変だけど、もしかして泣いてるのか?」
「そんなことあるわけないでしょ。そ、そっちこそ慌てて様子が変だけど何かあったの?」
見られているわけではないが、ユキは涙を指で必死に拭う。
「あのさ、矢鍋さんとさっき会ってさ、それが、カラスがユキの机の上に緑の葉っぱを運んできて」
「えっ? 一体何の話?」
「だから、今どこにいるんだよ。とにかくすぐ会おう」
待ち合わせの場所だけ決め、電話を切るとユキは仁に会うために走った。
何かが動き出している。
そんな胸騒ぎがしていた。
「今のは一体……」
訳が分からず、放心状態のユキは暫くその場で佇んでいた。
静かな場所で場違いな音が流れてくる。
だが聞きなれたメロディ。
ユキが自分の携帯の着信音だと気がついたとき、我に返って携帯を手にした。
それは仁からだった。
通話ボタンを押せば、ユキの返事も待たずに「ユキ!」と慌てて叫んだ声が聞こえてきた。
「どうしたの、仁」
鼻声を帯びて洟がずるっと音を立てる。
「ユキ、なんか声が変だけど、もしかして泣いてるのか?」
「そんなことあるわけないでしょ。そ、そっちこそ慌てて様子が変だけど何かあったの?」
見られているわけではないが、ユキは涙を指で必死に拭う。
「あのさ、矢鍋さんとさっき会ってさ、それが、カラスがユキの机の上に緑の葉っぱを運んできて」
「えっ? 一体何の話?」
「だから、今どこにいるんだよ。とにかくすぐ会おう」
待ち合わせの場所だけ決め、電話を切るとユキは仁に会うために走った。
何かが動き出している。
そんな胸騒ぎがしていた。



