恋の宝石ずっと輝かせて2

「なんだ、そんなことか。本当ならこのことは実行するまでずっと黙っていたかったんだけど。さすがトイラだな。でも心配するなよ。いざとなったら僕が協力するさ」

「お前……それがどういう意味かわかって言ってるのか?」

「そんなこともういいよ」

「いい訳ないだろ!」

 トイラの怒りがユキの全身を通じて震えている。

 ユキに責められているようにも見えるため、反発するように体に力を込め踏ん張った。

 仁もここまで言い切った以上、後には引けないと強気で姿勢を構える。

「こんなこといい合っても、いずれトイラはユキを飲み込んでしまう。今一番しなければならないことはカジビを探す事が先決だろ。それしかどっちにしても解決策がないんだから。とにかく早く見つけないと何もかも手遅れになってしまう。いいか、このことはまだユキには知らせないで欲しい。ユキが知ってしまえば、悩みを増やしてしまうだけだ」

 もちろんそんなことはトイラもユキには話せない。選択の余地がないまま、トイラは黙り込んでしまった。

「そろそろユキと話をさせてくれないか。さっきのことも謝りたいし」

「ああ、わかった」

 トイラがそう呟くと、ユキは突然足元から崩れ落ち、まだ気を失ったままの状態だった。

 仁は慌てて手を伸ばしユキを支えこもうとしたが、ユキの体に手は届いたものの慌てて行動したために抱え込んだまま勢いついて一緒に床に倒れこんでしまった。

「ああ」

 仁は慌てるが、気がつけばユキと折り重なって床に寝転がっていた。

「ユキ、しっかりしろ。大丈夫か?」

 仁が体制を整え、身を起こしてもユキはまだ気がつかなかった。