6
風が吹くたび木漏れ日が揺らいでいる。
きらめく光と影の幻想の中、その男は鍬を宙に掲げたまま近寄ってきた。
戦慄が走り、仁は恐怖で体が固まり身動きできない。
ただ目を見開いてその男を凝視していた。
「ここで何をしている?」
男が尋ねると、仁はごくりと唾を飲み込んで震えだす。
「ぼ、僕、何もしていません」
極度の緊張が体を強張らせ、心拍数がどんどん上がっていく。
――殺されるのか。
「ここは八十鳩さんちの土地だぞ。勝手に入ったらだめじゃないか」
「えっ、瞳ちゃんちの土地?」
「なんだ、あそこのお嬢さんを知ってるのか?」
知ってる名前が出てきたことで、男は少し警戒を緩め、持っていた鍬を下ろした。
仁はそれでほっとした。
「ご、ごめんなさい。昔はこの辺子供の遊び場だったからつい勝手に入って」
「昔は大目に見られてたかもしれないが、最近はゴミを捨てに来る奴が居て困るんだ。お前もそこでゴミを捨てていただろう」
「いえ、ゴミじゃないんです。あの、その、亀を自然に戻しに来ただけで……」
「はっ? 亀? まさか外国産のカミツキガメじゃないだろうな。飼えなくなったから捨てにきたとか」
「いえ、それでもないです。極一般のこの辺りの土地に生息しているクサガメです」
男は怖がっている仁の目を見つめその真偽をさぐる。
直感も働き、嘘をついているようには見えず警戒心を解いた。
「とにかくだ、さっさとここから出て行くんだ」
「す、すみませんでした」
仁が頭を下げたときだった、極度の緊張のせいか、また急に額が疼いて頭痛に襲われた。
あっと、仁が思ったときには、ふらっとしてして倒れこんでしまった。
目の前で倒れられ、男もまたびっくりしてしまう。
「おい、ちょっと、あんた、大丈夫か?」
男はいきなりバタンと倒れこんだ仁に気が動転してしまい、鍬を放り投げて駆け込んだ。
「参ったな。ちょっと鍬で脅しすぎたか……」
仕方がないと、仁を担いで森から出て行った。
風が吹くたび木漏れ日が揺らいでいる。
きらめく光と影の幻想の中、その男は鍬を宙に掲げたまま近寄ってきた。
戦慄が走り、仁は恐怖で体が固まり身動きできない。
ただ目を見開いてその男を凝視していた。
「ここで何をしている?」
男が尋ねると、仁はごくりと唾を飲み込んで震えだす。
「ぼ、僕、何もしていません」
極度の緊張が体を強張らせ、心拍数がどんどん上がっていく。
――殺されるのか。
「ここは八十鳩さんちの土地だぞ。勝手に入ったらだめじゃないか」
「えっ、瞳ちゃんちの土地?」
「なんだ、あそこのお嬢さんを知ってるのか?」
知ってる名前が出てきたことで、男は少し警戒を緩め、持っていた鍬を下ろした。
仁はそれでほっとした。
「ご、ごめんなさい。昔はこの辺子供の遊び場だったからつい勝手に入って」
「昔は大目に見られてたかもしれないが、最近はゴミを捨てに来る奴が居て困るんだ。お前もそこでゴミを捨てていただろう」
「いえ、ゴミじゃないんです。あの、その、亀を自然に戻しに来ただけで……」
「はっ? 亀? まさか外国産のカミツキガメじゃないだろうな。飼えなくなったから捨てにきたとか」
「いえ、それでもないです。極一般のこの辺りの土地に生息しているクサガメです」
男は怖がっている仁の目を見つめその真偽をさぐる。
直感も働き、嘘をついているようには見えず警戒心を解いた。
「とにかくだ、さっさとここから出て行くんだ」
「す、すみませんでした」
仁が頭を下げたときだった、極度の緊張のせいか、また急に額が疼いて頭痛に襲われた。
あっと、仁が思ったときには、ふらっとしてして倒れこんでしまった。
目の前で倒れられ、男もまたびっくりしてしまう。
「おい、ちょっと、あんた、大丈夫か?」
男はいきなりバタンと倒れこんだ仁に気が動転してしまい、鍬を放り投げて駆け込んだ。
「参ったな。ちょっと鍬で脅しすぎたか……」
仕方がないと、仁を担いで森から出て行った。



