山付近は畑が広がり、風が吹くと葉っぱがなびいて緑の海のようだ。
適当に自転車を置いて、畦道のような場所を歩いて木が生い茂る山に入っていく。
「この辺りは、昔カブトムシとか取りに来たな」
子供の頃の記憶を頼りに、亀を捨てられそうな沼地を探した。
「あった、あった。でもこの沼こんなに小さかったかな。昔はもっと大きく思えたけど」
子供の頃に見た風景と比べてどこか変わったようでありながら、見覚えのある景色に仁は微笑んだ。
袋から亀を丁寧に取り出し、じっくりとその姿を見つめた。
亀も辺りを確かめるように顔をひょっこりとだし、仁と目があった。
「ここなら快適に過ごせるだろう。達者でね」
仁はそっと亀を地面に置いた。
亀は暫く手足を引っ込めていたが、また徐々に顔を出して辺りを確認するとゆっくりと歩き出した。
一度立ち止まり首を少し斜めに向ける。振り返ったように見えたが、仁はそれをお礼と勝手に解釈してみた。
「お礼なんていいからね」
浦島太郎の助けた亀に竜宮上へ連れて行かれる話を想像し、おかしく思えた。
帰ろうと振り返ったとき、木漏れ日の間から人影が揺れる。
ほんの数メートル先で、長靴を履き、首にタオルをひっかけた男が立ってじっと仁を見つめていた。
誰も居ない森の中で人が立ってるだけで驚くに値するのに、その男はさらに鍬を振り上げて仁を威嚇してきた。
適当に自転車を置いて、畦道のような場所を歩いて木が生い茂る山に入っていく。
「この辺りは、昔カブトムシとか取りに来たな」
子供の頃の記憶を頼りに、亀を捨てられそうな沼地を探した。
「あった、あった。でもこの沼こんなに小さかったかな。昔はもっと大きく思えたけど」
子供の頃に見た風景と比べてどこか変わったようでありながら、見覚えのある景色に仁は微笑んだ。
袋から亀を丁寧に取り出し、じっくりとその姿を見つめた。
亀も辺りを確かめるように顔をひょっこりとだし、仁と目があった。
「ここなら快適に過ごせるだろう。達者でね」
仁はそっと亀を地面に置いた。
亀は暫く手足を引っ込めていたが、また徐々に顔を出して辺りを確認するとゆっくりと歩き出した。
一度立ち止まり首を少し斜めに向ける。振り返ったように見えたが、仁はそれをお礼と勝手に解釈してみた。
「お礼なんていいからね」
浦島太郎の助けた亀に竜宮上へ連れて行かれる話を想像し、おかしく思えた。
帰ろうと振り返ったとき、木漏れ日の間から人影が揺れる。
ほんの数メートル先で、長靴を履き、首にタオルをひっかけた男が立ってじっと仁を見つめていた。
誰も居ない森の中で人が立ってるだけで驚くに値するのに、その男はさらに鍬を振り上げて仁を威嚇してきた。



