恋の宝石ずっと輝かせて2

「ママ、私も一緒に行っていい?」

 瞳が懇願するが、花梨は首を縦に振らなかった。

「あなたも宿題があるでしょ。中学の時はいつもギリギリまでやらなくて大変だったじゃない。高校生になったら早く済ますって約束忘れたの? それとも欲しかった服いらないの?」

 瞳は宿題を早く済ませると約束して、自分の欲しいものを買って貰う約束をしていたみたいだった。

 それを言われると瞳は大人しくなって言い返せなかった。

 自分の母親にはどこか逆らえないところがあるらしい。
 
 仁は玄関先で見送る三人を前にして、丁寧に頭を下げて、お昼をご馳走になったお礼を何度も言った。

「また来て下さいね、先輩」

 社交辞令だったとしても仁は返事をせずにその場をそそくさと去っていく。

 玄関を出ると、楓太がそこに居た。

 何か言いたげに仁を見つめて見送る。

「また後でな」

 楓太にしっかりと挨拶をすると、楓太はふらりと普通の犬らしくどこかへ歩いて行った。

 その後姿を見ていたとき、表庭に置かれていた祠が目に入った。

 日差しが強かったせいもあるが、目が眩しい。

 その光でまた眩暈を起こしそうな頭痛がしてくる。

 気のせいだと仁が軽く頭を振ったときだった。

 祠の小さな扉の隙間からキラリと何かが赤く光ったように見えた。

 一瞬のことなので見間違えたかと思ったが、花梨はその祠に近づいていく。

 その前に立ち止まり手を合わせてお祈りしだした。

 それが終わると、門の前に停めてあった軽自動車に案内され、仁は素直に乗り込んだ。

 車が動くと体の力が抜けていった。