恋の宝石ずっと輝かせて2


「あっ、気がつかれたわい」

 座布団を枕にして寝ている仁にパタパタと団扇を振りながら、瞳の祖父は安堵した。

「先輩、大丈夫ですか?」

 瞳が濡れタオルで仁の顔を拭いていた。

 仁はむっくりと起き上がり、暫くぼーっとしていた。

「急に、倒れられてもうびっくりしましたよ」

 祖母もとりあえずは一安心という表情で言った。

「あっ、すみません」

 仁は体制を整えて正座して迷惑かけた詫びを入れた。

 しかし、頭の靄が晴れてくると、恋人と間違われていることを思い出して再び慌ててしまう。

「あの、僕はその、瞳ちゃんとは、あの、その、交際しているとかそういうのじゃないんです。誤解させてしまったのなら謝ります。申し訳ございません」

 機敏に体を動かし体制を整え、三人の前で土下座までしてこの事態の収拾をつけようとした。

「せ、先輩、ちょっとよして下さいってば」

 瞳が狼狽しながら自分の手をばたつかせる。

「新田さん、顔を上げて下さい。何もそこまでされることはないですから。全然かまいませんから」

 祖父が笑いながら言った。

「そうですよ、何も土下座する必要なんてないですから」

 祖母も穏やかに言った。

 これで誤解は解けたと、仁もやっと肩の荷が下りて顔を上げた。

「こちらも恐縮です。こんな真面目な方で清い気持ちで瞳のことを大切に思って下さって。なあ婆さん」

「はい。それにまだ高校生ですし、世間の目もありますからね。ようは清きということですよね」

 笑顔になっていた仁の顔が崩れていく。なんだか話が微妙にずれている。

「わしらはこれでも今の若者に理解を示しております。愛があったら年は関係なく、自然にってことにも」

 祖父は言い難いようなはにかんだ顔をしてニヤニヤしていた。

「嫌ですよ、お爺さんたら」

 二人で軽く叩き合っている。

 仁の顔から血の気が消えていく。