恋の宝石ずっと輝かせて2


 仁が奮闘している同じ頃、ユキは落ち込んでいて、朝目覚めてからため息ばかりついていた。

 トイラとの感動の再会をしたというのに、お互いの意見が合わずに最悪の状態に陥ってしまったからだ。

 どうにかしたいと、ユキはダイニングテーブルの上に置いたノートパソコンとにらめっこしている。

 トイラからの言葉を待っていた。

 キイトが意識同士を合わせてくれると言ったところまで覚えているが、気がついたときはただソファに座って周りには誰も居なかった。

 これはトイラが阻止して、キイトを追い出したとユキは勝手に想像した。

 その経緯の説明をして貰おうと、前夜も遅くまで同じように待機していたが、パソコンの画面は一向に変わらなかった。

 トイラからの連絡を待っているというのに、トイラは中々出てきて声を掛けてくれない。

「トイラ、お願い。出てきて。まだ怒ってるの? とにかく話をしないことには何も始まらない。私はトイラを助けたいの。早くカジビを見つけてトイラを人の姿にして貰いたいの。トイラが協力してくれないと何もできない」

 ずっと同じことを言っているが、時間だけが経ち、それでもパソコンの画面からはトイラの声は聞こえてこなかった。

 時計を見ればすっかり昼をさしている。

 ユキはまたハンガーストライキで前夜から何も口にしていなかった。

 だが、お腹だけがグーと情けなく音がなった。

 そして、はっとしたとき、やっと目の前の画面にメッセージが届いていた。


 ――ユキ、何か食べろ。話はそれからだ。


 トイラからの声。

 ユキは涙ぐみながら席を立ち、手っ取り早く食べられるものを思案して、そしてシリアルの箱を掴んだ。

 器に入れてミルクで浸した後は、すばやくそれを喉の奥にかき込んで、またすぐにパソコンの前に座った。