恋の宝石ずっと輝かせて2

「ちょ、ちょっと、春日先輩。それは大げさじゃないの? 私だって泣きたいくらいなんですから」

 突然のユキの態度に瞳は恐ろしくなり、おどおどしてしまう。

 ユキはそれでも泣くのを止めない。もう自分でもわからないくらい、トイラを思う気持ちがここぞとばかりに爆発してしまった。

 瞳は強気になろうとしても、ユキの悲鳴と流れる涙の粒の大きさにどうしても敵わなかった。

「泣いたからって解決するわけじゃないんですからね」

 矜持を見せるつもりで発言したが、瞳は逃げるように去っていった。

 ユキは一人取り残されても、自分の心の思うままに泣き続けていた。

 暫くそれが続いてしまい、ユキも悲しみを止める術がわからない。

 すでに息が苦しく、体の奥深くに入り込んでひっくひっくと痙攣していた。

「ちょっとあんた、いつまで泣いているつもり? うるさいわね」

 ユキの泣き声を見かねたように少し甲高い声で誰かが注意する。

 突然の声に、ユキは泣きながらも顔を上げた。

 だが目の前には誰も居ない。

 それでもまだ声がする。