「申し訳ございませんが、ぼ、僕はまだ高校生で……そんな大それたことを言われましても返答に、こ……困ります!」
最後だけは勢いで片付けた。
お陰で全力を出し切ったようにはあはあと肩で息をしていた。
「そうだよ、お祖母ちゃん。初めて会った相手にそれはないよ」
瞳もその場を取り持ってはいるが、顔を見れば照れた様子であまり祖母を諌めてない。
そこへ、蕎麦を入れた大皿を持って瞳の祖父が入って来た。
引きつっている仁の顔つきを見て、異様な空気が流れているのをすぐに察知した祖父は、その場を良くしようと物腰柔らかく様子を窺う。
「どうか、なさったでございますか? 新田さん」
「あ、いえ、その、あの」
仁は瞳の祖母をチラリと見て、困っている様子を伝えようとする。
「それがね、お爺さん、今、瞳の婿にってちょっとお話してしまって」
残念な表情をする祖母。
「お前、そんなこと言ったのか。そんな急なこと、新田さんも困るだろうに」
瞳の祖父はなんとか常識がありそうだった。
「それにしても、先走ってしまってすみませんでした。家内はつい思ったことをすぐ口に出してしまいますから。本当に申し訳ございません。それだけ新田さんのこと気に入ったとわかってやって下さい」
「あっ、いえいえ、その、分かっていただければ……」
仁は一先ずほっとした。
「さあさあ、蕎麦ができあがりました。打ちたてですので、早く食べて下さい」
瞳の祖父は陽気に声を弾ませる。
これを食べたら帰れる。
仁も早くすませたいと座布団の上に座った。
その隣に瞳も座り、恥じらいながら仁を見つめ、その後初々しく新妻気取りながらおろし金でワサビを擦り出した。卸したワサビを仁の器に入れ微笑む。
最後だけは勢いで片付けた。
お陰で全力を出し切ったようにはあはあと肩で息をしていた。
「そうだよ、お祖母ちゃん。初めて会った相手にそれはないよ」
瞳もその場を取り持ってはいるが、顔を見れば照れた様子であまり祖母を諌めてない。
そこへ、蕎麦を入れた大皿を持って瞳の祖父が入って来た。
引きつっている仁の顔つきを見て、異様な空気が流れているのをすぐに察知した祖父は、その場を良くしようと物腰柔らかく様子を窺う。
「どうか、なさったでございますか? 新田さん」
「あ、いえ、その、あの」
仁は瞳の祖母をチラリと見て、困っている様子を伝えようとする。
「それがね、お爺さん、今、瞳の婿にってちょっとお話してしまって」
残念な表情をする祖母。
「お前、そんなこと言ったのか。そんな急なこと、新田さんも困るだろうに」
瞳の祖父はなんとか常識がありそうだった。
「それにしても、先走ってしまってすみませんでした。家内はつい思ったことをすぐ口に出してしまいますから。本当に申し訳ございません。それだけ新田さんのこと気に入ったとわかってやって下さい」
「あっ、いえいえ、その、分かっていただければ……」
仁は一先ずほっとした。
「さあさあ、蕎麦ができあがりました。打ちたてですので、早く食べて下さい」
瞳の祖父は陽気に声を弾ませる。
これを食べたら帰れる。
仁も早くすませたいと座布団の上に座った。
その隣に瞳も座り、恥じらいながら仁を見つめ、その後初々しく新妻気取りながらおろし金でワサビを擦り出した。卸したワサビを仁の器に入れ微笑む。



