ある日、いつものように杏奈と体育をしていた

「妃奈〜!一緒にバドミントンやろ〜!」

「いいね!やろうやろう!」

「妃奈うま〜い!

いいな〜!あたしも上手くなりたい!」

そんな会話をしていた時

視界が歪み始めた

「妃奈?大丈夫?

宏太呼んでこうよか?

それとも先生がいい?」

「ううん、大丈夫だよ?

気にしないで?少しめまいがしただけだからね?」

「うん…分かった…妃奈がそこまで言うなら

けどあんまり無理しないでよ?

休まなくて大丈夫なの?」

「うん!大丈夫よ?続きしよ?」

「うん!やろっか!」

この時大人しく杏奈の話を聞いてればよかった…

バタン…

体育館中に響いた

「妃奈!?妃奈?

大丈夫?ねぇ!?妃奈!?」

「おい!妃奈!?どうしたんだよ!おい!」

「杏奈、宏太どいて

保健室連れていこう」

「先生…

お願いします…」

「おい

杏奈。何があったんだよ」

「分かんないよ!

倒れる前にめまいがするって言ってたの!

だから、休む?って聞いたら続けるって言ったの…

まさか倒れるなんて思わないよ…!

ごめんね…?宏太…私のせいで…」

「杏奈…

俺の方こそごめん…杏奈のせいじゃねぇよ

自分を責めんな…

妃奈がそんなこと望まねぇよ。な?」

「うん…分かってる…

あたし妃奈の所行ってくる!」

「俺も行く」

ガラガラ

「先生

妃奈の様子どうですか?」

「そうね…

貧血では無さそうだしね…

ねぇ杏奈ちゃん」

「はい。なんですか先生?」

「妃奈ちゃんが倒れた時のこと話してくれる?」

「分かりました

あたしと妃奈でバドミントンしてました

そしたら、少しして妃奈がめまいがするって言うので

終わる?って聞いたら大丈夫続けるって言ったのでそのまま

続けてました…

そしたら…妃奈が…倒れて…」

「そっか…分かった

杏奈ちゃん?

間違っても自分のせいで妃奈ちゃんが倒れたと思わない

でよ?」

「違うんですか…?

だって…あたしがあの時止めてれば倒れなかったかもし

れないですよね?」

「例えそうだとしても

妃奈ちゃんが倒れたのには他に原因があるってこと

それだけじゃ、人間は簡単に意識失って倒れたりしない

よ?」

「そうなんですか…」

「だから自分を責めないでよ?

妃奈ちゃんもそんなこと望んでないと思うよ?

妃奈ちゃんとずっと一緒にいる杏奈ちゃんなら分かるよ

ね?」

「はい…」

「とりあえず妃奈ちゃんの保護者には連絡いれてるから

帰っていいよ?心配しないで?」

「杏奈帰るか…

先生…妃奈のことよろしくお願いします」

「分かったわ

じゃあ気を付けて帰るのよ?」

「はい…

さよなら…」

「はい

さよなら」

「ねぇ宏太…

妃奈大丈夫かな?大丈夫だよね?」

「当たり前だろ!大丈夫だよ!」

あっ…

ここどこ?

「起きたのね?」

「先生…

あたしなんでここに居るんですか?」

「体育の時倒れたのよ?覚えてない?」

「覚えてます…

そう言えば杏奈と宏太は?」

「さっき来てたけど返したよ?

妃奈ちゃんとのお母さんが来るからって言ってね」

「そうですか…

いつ来るんですか?」

「多分そろそろ来るよ」

コンコン

「はい。どうぞ」

「失礼します」

「お母さん!」

「妃奈!

倒れたって聞いたけど大丈夫なの!?」

「大丈夫だよ?」

「こんにちは

保健室の先生をしています

柳沢加奈子といいます」

「妃奈の母の仲里妃です」

「妃さん

妃奈ちゃんは貧血で倒れた訳でもなくて

寝不足でもないので一応、病院を受診して貰えますか?」

「分かりました

明日、仕事休みなので病院連れていきます」

「分かりました

じゃあ明日は妃奈ちゃんは休みと言うことで担任の先生

には私から言っておきますね」

「ありがとうございます

さっ、帰ろう妃奈」

「うん」

「ありがとうございました」

「妃奈ちゃんお大事に」

「はい…

ありがとうございます」

「はぁ…

もう!妃奈大丈夫なの?

学校から電話来るからびっくりしたよ!

妃奈になんかあったらどうしよって思って飛んで来ちゃ

った」

「お母さん!

ありがとう〜!でも大丈夫だよ?」

「そう?

じゃ明日病院行って学校行く?」

「うん!

病院行ってから時間があったら学校行く!

杏奈と宏太に謝りたし!」

「そっか!

心配してるからね?特に宏太くんはね?

妃奈の彼氏だもんね?」

「うん!

って恥ずかしいこと言わないでよ!」

「だって本当の事だもん!」

そんなことを話している間に家に着いた

「妃奈〜!

先にお風呂入っちゃって〜!」

「は〜い!」

2階に上がって部屋着とタオルを取ってお風呂場へ

レッツゴー!

う〜ん!やっぱり落ち着く〜!

ズキン

息が苦しい…

何この痛み?

ん?なくなった?まぁ大丈夫でしょ?

お風呂上がろ!お腹すいたし!

体拭いて服着てよし!頭にタオル巻いておっけー!

「お母さ〜ん!

お風呂終わったよ〜!」

「あ!

ちょうどご飯出来よ〜!食べよ!」

「うん!食べる!

美味しそう!今日はチーズフォンデュなのね?」

「そうよ?久しぶりに食べたかったからね!」

「確かに久しぶりだね!」

「「いただきま〜す!」」

「うん!美味し!」

「でしょ?」

「明日病院だからご飯食べたら早く寝るのよ!」

「はぁ〜い!

「「ごちそうさまでした」」

「片付けはお母さんがするから妃奈は髪乾かして来なさ

い」

「はぁ〜い!」

お母さんに言われた通り髪の毛を乾かしにお風呂場に向かった

ゴッ〜 カチャッ

よし!乾かした!

ドライヤー片付けてよし!

眠ろ〜!

そう思ってお風呂場から出ようとした時

視界が歪み始めた気付いたら気を失っていた

ドン

ん?何の音かしら?

「妃奈〜?どうした?

ん!?妃奈!?大丈夫!?しっかりして!?」

救急車呼ばなきゃ

んっっ…

ここは?あれ?自分の部屋じゃない?

「妃奈?気が付いた?」

「お母さん?ここ何処?」

「病院よ?分かる?」

「なんで病院?」

「あなた倒れたのよ?何があったの?」

「髪の毛乾かして部屋に戻ろうとした…

その後は覚えてない…」

「そっか…とりあえず先生呼んでくるから待ってて」

「こんにちは妃奈ちゃん

妃奈の主治医になりました宮平要と言います

よろしくお願いします

要先生と呼んでください」

「仲里妃奈です

要先生よろしくお願いします」

「早速本題に入ります

いいですね?妃奈ちゃん?」

「はい」

「妃奈ちゃん

妃奈ちゃんは肺がんと言う病気です」

「えっ?あたしが病気?

そんなわけないよ?だってずっと健康だもん!ね?

お母さん?」

「うん…そうだったね…」

「お母さん?本当なの…?あたしが病気って?」

「うん…

本当だよ?妃奈?」

「そんなことってある…?」

「残念ですが、妃奈ちゃんの場合治療の施しようがありま

せんかなり進行していて治るのことはないでしょう…

治す方法は一つだけあります。

肺を移植すれば治りますが移植したからと言って絶対治

るとは限りません。」

「そうですか…

妃奈?あなたはどうしたい?」

「えっ?どうしたいって?」

「移植したい?」

「分からない…少し考えさせて…?

何が何だかわからない…」

「分かった…」

「では、妃奈ちゃん決まったら教えてください

それと、一週間は入院してもらいます

では、失礼します」