机を見ると、落書きがされていた。机いっぱいに、消そうとしても消えないであ

ろうと思うほど、何重にも重ねてあった。

私はそれを見ても、驚いたり傷ついたりしなかった。もう、見慣れた光景だ。

ぞうきんを濡らして、机を拭き始めた。

突然、体中が冷たくなった。髪からポタポタと水滴が落ちる。後ろを振り返る

と、名前も覚えていない男子が、バケツを持ってニヤニヤと笑っていた。