「何? 忘れられない、恋?」 「……うん」 「結衣、山羊座だっけ?」 隼くんが後ろからひょいと雑誌を取り上げた。 「ちょっ……」 「山羊座はー……うわっ、昔の恋を捨て去ることができないタイプだって! へーそうなの?」 ニヤリと笑みを浮かべる隼くんを軽くにらんで雑誌を取り返す。 こんなやり取りも、わたしの星座を覚えてくれてたこともうれしくなる。