「そこ、立ち読み禁止!」 後ろからそう声が聞こえて振り向く。 いたずらっ子のような顔でわたしを見るその瞳に引き込まれそうになる。 「まぁまぁ、そう硬いこと言わない!」 ニコッと笑顔を返しながらも視線をそらした。 体に走る緊張。 近づく距離に動けない体と激しく動く鼓動。 もっと近づきたい。 でも、これ以上は心がついていかない……。 相反する気持ちが交錯する。