「佐野は最初からやりたがってただろ。あとから変われなんてちょっと変じゃない?」 穏和だけど、芯の通った声が空気をさいた。 篠崎くんが発した言葉だった。 と、気づくまでにみんな5秒くらい時間がかかったかもしれない。 (え、いやそんなこだわりあるわけじゃないんだけど) と思いながらも少し、心が軽くなった自分がいた。