どうしてなんだろう。


「お母さん!お父さん!!ねぇ…起きてよ…!!」


なんでこんなのが現実なんだろう。


『…只今を持って、ご臨終となりました。』



嘘だと言って欲しいのに。

無情なほど、バイタルの単調な機械音が耳に入ってくる。



誰も真実を否定しない。

目の前にあるのは、紛れもなく冷たくなった両親の亡骸。
もう、笑わない。泣かない。怒らない。話すこともない。



あぁ、たった一人なんだと。

その時に思ったんだ。