私の告白を聞いた秀哉が、身動きひとつ取れずに立ち尽くしている。


まさか私が秀哉を好きだなんて。


これっぽっちも思っていなかったんだろう。


「恋人がいる人を好きになる梨華。

そんな梨華を秀哉は好きで。

そして私は、秀哉が好きだった。

私達三人はね、ずっと一方通行だったんだよ」


そう。


もう5年以上も……。


「でも、今年の5月頃だったかな。

いい加減もう秀哉を諦めなきゃって思い始めてたの。

秀哉はいつまで経っても梨華のことが好きで、私のことは良い友達としか思っていない。

だから、毎週金曜の飲み会に行かなくなったのをきっかけに、秀哉を忘れようと思ったの。

会わなくなれば、そのうち忘れられるだろうと思って……。


でも……」


「でも……?」


秀哉が、そうさせてくれなかったんだ……。