私たちの六年目

さっきの梨華の衝撃的な告白の時よりも、もっと静まり返る私達のテーブル。


今、秀哉はなんて言った?


梨華に結婚しようって、言った……?


「秀哉、お前何言ってんだよ。梨華と結婚って」


「そうよ。いきなり何を言い出すの?」


戸惑う守と郁未だったけど、秀哉はあくまで冷静に言った。


「お前らには話してなかったけど。

俺……、大学の頃からずっと梨華のことが好きだったんだ。

梨華もそのことは知ってる。

卒業前に一度告白したから。

まぁ、その時は振られたんだけどな……」


秀哉のまさかの発言に、二人とも驚きを隠せないようだ。


「振られても俺は、まだ梨華のことをあきらめられなくて。

だから俺は、梨華さえ受け入れてくれるなら。

その子供の父親になってもいいって思ってる……」


秀哉は、真剣な瞳で言った。


秀哉、本気なんだ……。


本気で、梨華のお腹の子の父親になろうとしている。


でも、梨華は……?


一度は秀哉を振っているんだもの。


こんな状況だからって、まさか受け入れたりしないよね……?


そうよ。


それだけはないはず。


そう思っていたのに。


「秀哉、本当に……?


本当に、父親になってくれるの……?」


梨華の口から出た言葉に、


目の前が真っ暗になった。