郁未にそう言われると、止まっていた梨華の涙が再び流れ始めた。
そしてそのうち、小さな子供がするような、しゃくり上げる泣き方に変わっていった。
「……ない。出来ないよ……っ。
そんなの、割り切れるわけない。
彼のことは、いつか忘れることが出来ても。
このお腹の子とさよならしたことは、きっと一生忘れることは出来ない……っ!」
そう言うと梨華はわぁっと泣いて、崩れるように机に顔を伏せてしまった。
同じ女として思う。
自分がその道を選ばないといけないとしたら、それはきっとひどく悲しいことだし。
それが正しかったのかどうか、いつまでも自分に問い続けることになるに違いない。
「だったら、梨華。
もっとゆっくり考えて、後悔しない選択をして。
もし産める環境だったら、あんたはどうしたいの……?」
郁未の問いに、黙り込む梨華だったけど。
しばらくしてムクッと顔を上げると、長いストレートの髪をスッと耳にかけて、郁未の方を見て言った。
「産みたい……」
それは、聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声だった。
だけど、その言葉は紛れもなく梨華の本心だった。
そうなんだ。
梨華はやっぱり、お腹の子供を産みたいんだね……。
それを聞くと、やけにホッとする自分がいた。
「なんか突然のことにすげービックリして、頭の中がまだパニックだよ」
奥の席に一人で座っている守が、頭を掻きながら呟いた。
「でも、なんか……な。
もちろんオレだって、梨華の気持ちを尊重してやりたいよ。
でも、さっきお前が言ったように、子供を育てるって大変だと思うぞ。
その子供の一生に関わることだからな」
そしてそのうち、小さな子供がするような、しゃくり上げる泣き方に変わっていった。
「……ない。出来ないよ……っ。
そんなの、割り切れるわけない。
彼のことは、いつか忘れることが出来ても。
このお腹の子とさよならしたことは、きっと一生忘れることは出来ない……っ!」
そう言うと梨華はわぁっと泣いて、崩れるように机に顔を伏せてしまった。
同じ女として思う。
自分がその道を選ばないといけないとしたら、それはきっとひどく悲しいことだし。
それが正しかったのかどうか、いつまでも自分に問い続けることになるに違いない。
「だったら、梨華。
もっとゆっくり考えて、後悔しない選択をして。
もし産める環境だったら、あんたはどうしたいの……?」
郁未の問いに、黙り込む梨華だったけど。
しばらくしてムクッと顔を上げると、長いストレートの髪をスッと耳にかけて、郁未の方を見て言った。
「産みたい……」
それは、聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声だった。
だけど、その言葉は紛れもなく梨華の本心だった。
そうなんだ。
梨華はやっぱり、お腹の子供を産みたいんだね……。
それを聞くと、やけにホッとする自分がいた。
「なんか突然のことにすげービックリして、頭の中がまだパニックだよ」
奥の席に一人で座っている守が、頭を掻きながら呟いた。
「でも、なんか……な。
もちろんオレだって、梨華の気持ちを尊重してやりたいよ。
でも、さっきお前が言ったように、子供を育てるって大変だと思うぞ。
その子供の一生に関わることだからな」



