「それに私、給料もそれほど良くないし、貯金だってそんなにあるわけじゃない。
生まれて来た子は父親がいない上に、お金のことでも苦労させないといけないのよ。
そんなの、耐えられないよ……」
社会人二年目の私達。
確かにみんなまだ、そんなに給料があるわけじゃない。
梨華は無駄遣いをするような子じゃないけど、貯金額は私とさほど変わらないだろうと思う。
親の手が借りられないとなると、それはかなり大変なことだよね。
しかも、子供が生まれてしまったら、梨華はすぐには働きに出られないわけだし。
「そう……。梨華の気持ちはわかったよ」
郁未が、ため息混じりに言った。
「梨華は、もう赤ちゃんとさよならするって決めてるんだね……。
だから、今からお酒を浴びるほど飲んで、全部忘れるつもりなんだよね?
彼のことも、赤ちゃんのことも、まるでなかったことみたいに」
「郁未……」
「確かにさ、大変なのはわかるよ。
わかってるけど、あたしだったらそんな選択は絶対に出来ない。
どうにかして産む方法を考える。
そのためだったら、恥も外聞も捨てて人に頭を下げるわよ。
だけど、あんたは何もしないで簡単にあきらめてる。
しかも、その身体でお酒を飲もうだなんて、どうしてそんなことが出来るの?
あんたって、そんなことが出来る子だったっけ……?」
生まれて来た子は父親がいない上に、お金のことでも苦労させないといけないのよ。
そんなの、耐えられないよ……」
社会人二年目の私達。
確かにみんなまだ、そんなに給料があるわけじゃない。
梨華は無駄遣いをするような子じゃないけど、貯金額は私とさほど変わらないだろうと思う。
親の手が借りられないとなると、それはかなり大変なことだよね。
しかも、子供が生まれてしまったら、梨華はすぐには働きに出られないわけだし。
「そう……。梨華の気持ちはわかったよ」
郁未が、ため息混じりに言った。
「梨華は、もう赤ちゃんとさよならするって決めてるんだね……。
だから、今からお酒を浴びるほど飲んで、全部忘れるつもりなんだよね?
彼のことも、赤ちゃんのことも、まるでなかったことみたいに」
「郁未……」
「確かにさ、大変なのはわかるよ。
わかってるけど、あたしだったらそんな選択は絶対に出来ない。
どうにかして産む方法を考える。
そのためだったら、恥も外聞も捨てて人に頭を下げるわよ。
だけど、あんたは何もしないで簡単にあきらめてる。
しかも、その身体でお酒を飲もうだなんて、どうしてそんなことが出来るの?
あんたって、そんなことが出来る子だったっけ……?」



