私たちの六年目

私達の目の前に、久しぶりに現れた梨華。


相変わらず美人には違いないけれど、なんだか顔色が悪い。


もともと細いのに、前より痩せた気がする。


「り、梨華……。大丈夫?」


思わず声をかける郁未。


守と秀哉はと言うと、どう声をかけていいかわからずに動きが止まっている。


「とりあえず座りなよ」


コの字型になったテーブル席。


郁未に促されて、梨華は静かに腰を下ろした。


肩で息をしている梨華。


なんだかひどく疲れた様子だ。


一体、どうしたって言うの……?


「梨華、お水頼もうか? それともお茶がいい?」


私の言葉に、梨華が首を横に振る。


「日本酒がいい……」


「え……?」


日本酒?


梨華って、日本酒なんて飲めたっけ?


「飲みたい気分なの。お願い。冷酒なら何でもいいから」


尋常じゃない様子の梨華。


なんだかおかしいと思った私は、とりあえず店員さんを呼んで冷たい水を頼んだ。


「梨華、どうしたの?

一体何があったの?

何かあったから、私達を集めたんでしょう?」


私の言葉に、梨華の大きな瞳に一気に涙が溜まる。


「菜穂……」


「な、に……?」


「フラれちゃった……」


「え……?」


どういうこと?


フラれた?


「彼に……。


別れて欲しいって言われた……」