私たちの六年目




「はい、お茶」


「ありがと」


ペットボトルのお茶があるけど、食後は熱いお茶がいいかなと思って秀哉に手渡した。


「ん、うま。ちょうどいい熱さ」


「そう? それなら良かった」


ソファーに座る秀哉の隣に腰を下ろして、私もお茶を口にした。


飲むと、なんだかちょっとだけホッとした。


あの後、私達は食事に行くどころではなくなってしまって、結局コンビニでお弁当を買って秀哉の部屋で食べることになった。


秀哉の部屋には、久しぶりに来たけど。


相変わらず、落ち着いた綺麗な部屋だ。


「それにしても、ビックリした。

崎田君って、菜穂の事が好きだったんだな。

もしかして、もう既に告白されてた?」


「あー、うん……」


「それならそうと、話してくれたら良かったのに。

毎週会ってんだから」


「ごめん。でも、そういうことって話しづらい。

秀哉だって、誰に告白されても言わないでしょ?

それと同じだよ」


「あー、そうか。それもそうだな」


そう呟くと、秀哉は持っていたカップをカタンとテーブルの上に置いた。


「それより、ごめんね……。

秀哉に好きな人がいるって、崎田君に話しちゃって。

相手が梨華だとは言ってないから、安心して」


私はそのことがひどく気がかりで、さっきからずっと不安だった。