私たちの六年目

さっきから崎田君の秀哉に対する態度がおかしい。


執拗に絡んだりして、どういうこと……?


「秀哉さんが女性なら、別に僕は何も言いませんよ。

でも、あなたは男性だから」


「えと、ごめん、崎田君。

さっきから何の話をしているのか、全くわからないんだけど。

崎田君、もしかして俺に怒ってる?」


秀哉にそう言われて、崎田君は深いため息をついた。


「まぁ……、怒ってますね……」


崎田君が腹を立てる理由がさっぱりわからない秀哉は、ただただ困惑するばかりだ。


「どうして? 俺、崎田君に何かしたかな」


この展開はまずい。


やっぱり崎田君、私の気持ちを秀哉に話すつもりなんじゃ……。


どうしよう。


このままじゃ、秀哉に私の気持ちがバレる……!


「僕……。

菜穂さんのことが好きなんです……」


「え……?」


目を見開く秀哉。


「だから菜穂さんが、男の人と二人きりで会うの……。


すげぇ嫌なんです……」