それから一週間後、無事に梨華の退院が決まって。


退院すると梨華は、すぐに引っ越しの準備を開始した。


梨華はこの機会にと、一人暮らし用の家電や家具、大量の本や衣類など、買い取り業者に来てもらってほとんどの物を処分してしまった。


荷物が減ったお陰で引越業者に依頼しなくても良くなったし、お金も入って一石二鳥だと喜んでいた。


元彼の思い出ごと全部捨てられてスッキリしたと、すがすがしい顔で話してくれた。


梨華が電話でご両親に全てのことを伝えた時、それはもうかなり驚かれたようだけど。


一通り説教をした後は、「帰って来い」と言ってくれたらしい。


一人っ子の梨華の部屋は、以前のまま残っているし。


そこで暮らせば問題はないそうだ。


梨華が帰ることが決まった途端、お母さんはやたらと張り切りだしたそうで。


赤ちゃんを迎えるために、赤ちゃんが過ごすのに安全な部屋作りに取り組んでいるのだとか。


なんだかんだ言って、親は娘のことが可愛い。


その娘が産む赤ちゃんが可愛くないはずはないのだなと思った。