「あはは。もう、沙奈さん動揺し過ぎ」

笑いながらすっとティッシュを差し出すシゲちゃんは、なにげに女子力が高い。

「なんで急にそんな話になるかな?」

テーブルの上を拭きながら、努めて冷静に聞き返す。

「お似合いだから早くくっつかないかなあって。沙奈さんも満更じゃなさそうだし」

この子、なかなか侮りがたい。

「気のせいじゃない?」

シレッとそう答えたところで、「あ、ユッキーさん!」とシゲちゃんが声を上げた。正面の入口から三人が入ってきたのだ。

「ユッキーさん、沙奈さんのワンピ見て! オフショルちょーセクシー」

シゲちゃんが、わたしのパーカーの肩口をするりと落とす。露わになる素肌。

ユキの顔が真っ赤になった。

何その反応、こっちが恥ずかしい。