「へー。もしかして、人気の理由もそれだと思ったりしてる?」

「いや、それは思ってないよ。だって、肩書きだけで友達になるなんて失礼ってゆうか、橘くん自身を見てない気がするから。それに、人気の理由だって、橘くんは良い人だからって思ってるから。」

「ふーん。海堂奈々。覚えたよ。」

「あ、ありがとう。3年間よろしくね。」


私と、橘くんは握手した。仁奈ちゃんは、それが羨ましいのか「私も奈々ちゃんと握手する!」と言った。


「普通は、橘くんにするんじゃない?」

「橘くんは、中学で3年間同じだったし、それに握手したら女子たちが怖いもの。」

「俺って、仁奈にとってどんな存在なんだよ。」


仁奈ちゃんと、橘くんは仲良いんだなと思った。
二人のやり取りが面白くて私は笑った。


それからは、担任の話が少しと、自己紹介が淡々と行われて一日が終わった。