何分くらい、泣いていたのだろう。
今が昼休みでよかったなって、ほんとにそう思う。


「泣きやんだな。はぁ。お前が頑張ってたのは伝わったよ。けどな、俺との賭けは負けたんだからな。わかってるだろ?」

「わかってるよ!でも、普通泣いてたら優しくするでしょ?」

「なんだ、心配して優しく『辛かったな』とか同情されたかったのか?」

「それは…」

「嫌だろ?俺だったら嫌だね。自分より頭の良い奴に、同情されるのなんて。だって、自分の気持ちも知らないでって逆に怒るぜ。」


確かに、私も多分そうなってただろう。
負けず嫌いだから、勝った人から何か言われるのは普通にイラッとくる。


「でも、俺様な態度はどうかと思うけどね?」


そう言っても、私はなんかもう笑いが堪えきれなくて笑ってしまった。


「やっぱり、お前には笑顔が一番だな。その笑顔が俺だけに向けられたら尚いいんだが。」

「白石祐陽は、変わってるね。そういえば、さっきの行動はなんだったのよ!物凄くハラハラしたんだからね!」


あの後、教室で私の名前を出したのだろうか?
もし出されていたら、教室には戻りずらい。


「なんだ、そのことか。俺、本当に大胆すぎたよな。でも、お前が無視するのが悪いんだがな。あと、たぶんいま戦争してんじゃね?」

「え!?」

「冗談だよ。」


真顔で言うから本気にしてしまった。
とゆうより、こいつでも冗談言うんだ。