でも、一番の理由はあんなに頑張っても50番以内に入れなかったからだ。
中学のときはそれなりにできてたはずの勉強が、今はわからなくて楽しくない。


ここに受かったときは嬉しくて、喜んでて入学するのも楽しみだったよ。
でも、他の子は特進科なのに私だけ普通科だった。


それからは、授業を聞いていても苦手な数学だけはやっぱり理解できなくてイライラした。


それに、白石祐陽に教えてもらってるときはなぜか理解できてしまっていて、それにもまた不思議と嬉しさと同時に、悔しさもあった。


だからかな?一緒に勉強始めてしまったら、差を見せつけられて自分が落ちこぼれてしまったように感じちゃう。


そんなの絶対に嫌だった。
まあ、今はそんなこと白石祐陽は考えてないのだとわかってるけど。


涙が止まらない。
色んな今まで出せなかった気持ちが爆発していた。


「泣き虫だな…ほら、ハンカチ。洗って返せよ。」


こんな私を見ても態度が変わらない白石祐陽。
なんだろ、ちょっとおかしくて笑ってしまいそうだ。


普通はオロオロするよね?
でも、本当に態度が変わらないんだよ。ムカつくけど、安心もしていた。