テストが始まっても集中することができない。
だって、仁奈が変なこと言ったから。
でも、好きな子には普通優しくするよね。
もしくは、話せなくて固まっちゃうとか。
白石祐陽の場合は、ただ自分が偉いと思ってる上から野郎でしょ。
勉強ができるからって、見下してる。
あれ、でも、よく考えたらなんでそんな奴が勉強教えてくれたりするんだろ?
おかしくない?
あ、でも、ペン回してるのが目障りだったって言ってたし。
きっとそれだよね!
私は解決したと思い、止まっていた手を動かす。
でも、また手を止めてしまう。
ん?ペン回してるのが目障りなら、普通、一緒に勉強するぞみたいなこと言わないよね?
今の勝負も、私が50番以内に入らなければ白石祐陽は、私のペン回してるところ見る羽目になって、目障りなだけ…
あれれれ?そしたら、なんで一緒に勉強させようとしてるんだろう…
『白石くんって、好きな子にだけ、俺様なんじゃない?』
仁奈のさっきのセリフが聞こえてくる。
私は、そう思ってしまった瞬間顔が物凄く熱くなるのを感じた。
すると、見回りしてる先生が私のところで止まり、小声で話しかけられる。
「海堂、具合悪いのか?さっきから、手も止まってるし…顔も、真っ赤だぞ!?大丈夫か!?」
「だ、大丈夫です。すいません!!」
私は慌てて手を動かした。
そうして、二日目のテストもなんとか終わりむかえ、1週間後の結果を待つのみとなった。

