家に着くと、珍しくお母さんが帰ってきている。
何かあったのかと、不安になりお母さんの部屋のドアをノックした。


「お母さん?」

「あ、奈々。おかえり。早いのね。」

「中間テストだったから。お母さんは、どうかしたの?」

「忘れ物しちゃってね、取りに帰ってきただけよ。テスト勉強がんばってね…と、あ、あと今日の夕飯の材料買いに行ってくれる?」

「いいよ。」

「ありがとう!じゃあ、行ってきます!」

「行ってらっしゃい。」


お母さんを玄関まで見送ると、私は私服に着替えて、図書館に行く準備をした。


家を出て、図書館に向かっていると不運なことに白石祐陽が反対方向から歩いてくる。


なんで、このタイミングであいつと出くわしちゃうの…
学校では全く会わないのに。


それでも、逃げることはできないから変に堂々としてやる。
一歩、二歩進み、白石祐陽はやっと私に気づく。


テストのこと言ってくるんだろうな…
数学できなかったんだよね…あ、そういえばあの時教えてもらったのも数学だった


私が色々考えていたとゆうのに、白石祐陽は話しかけることなく、なんだったら知らない人とすれ違ったようなものみたいだった。


私はつい、それに動揺してしまい話しかけてしまった。