「私には、親友がいました。小学生の頃塾で出会った女の子です。その子は、私と同じでここの学園を志望していて、それで仲良くなりました。無事、合格もしたんです。」

「うん。」

「だけど、クラスは違ったんです。私は1組で、彼女は3組になったんです。」

「え、それって…」

「敵対関係になっちゃったんです。あ、でも、入学したての頃はみんな、そんなの気にしてなかったんですよ。」

「それじゃ、いつからそんな風になったの?」

「中学2年の頃でした。クラス替えもなく、余計にクラスみんなが一致団結してきた頃、テストの平均点を上げなきゃと他のクラスと競うようになったんです。」

「それで、吉田さんもそんな風に思ったの?」

「私は違いました。その親友と普通に話したりしてました。でも、それがいじめのきっかけだったんです。図書室で仲良く勉強してるところを見られて、クラスメイトにすごく睨まれました。」


「だから、私を気にかけてくれてたんだ。」

「はい。海堂さんには同じ思いしてほしくなかったんです。」

「でも、それじゃ、さっきの3組になった他の理由は?」

「それは、親友と同じクラスになりたかったからです。意味なかったんですけどね。親友は、他の高校に行っちゃいました。」