「お前、その喋り方はかわいくないからやめとけ。」


なんて冷静な返答なんだろう。
私は自分の言ったことをスルーしてしまおうと話題を変えた。


「ところで、こんな土砂降りの雨の日にどこにお出かけなの?」

「お前には関係ない。」

「まあ、たしかに…あ、それじゃ私はおつかいがあるから。」

「ふっ…お前おつかいってゆう年かよ。まあ、でも、頼まれたものちゃんと買えたら俺が何かくれてやってもいいぜ。」

「結構です!!」


なんで、なんでこんな気分の落ちてる日にこんなやつと話ししてるんだろ…
もう、早くスーパーに行こうっと。


「じゃ、ほんとにさよなら。」

「あ、おい、待てよ。」

「なによ。」

「なんで、図書室に来なくなったんだ。」


なんで?それくらいわかってるはずだ。
私と話してるとこ見られたらお互いどんな目に遭うかわからない。


「痛い目みるからよ。」

「は?」

「白石くん、わかってるでしょ。私は普通科で、あなたは特進科。この間白石くんも言ってたじゃない。」


雨がどんどん酷くなってきて、傘を打つ音も大きくなってゆく。
どこかではカエルも鳴いていた。